PEEK(ピーク)樹脂とは?
PEEK樹脂の名称について
PEEK樹脂は、「Poly Ether Ether Ketone ポリエーテルエーテルケトン」 という名称があります。
その大文字のみを抜き出して、一般的に 「PEEK(ピーク)」 と呼ばれています。
PEEK樹脂の化学式とその性質
PEEK樹脂の単位構造は、左の化学式のように、ベンゼン環がエーテル結合 + エーテル結合 + ケトン結合した構造となっており、これが繰り返される芳香族重合ポリマーです。
現在市販されているプラスチックの中でもあらゆる面において高機能を発揮する熱可塑性樹脂であり、特に高温域での耐熱性に優れていることからスーパーエンジニアリングプラスチックの代表格としても知られています。
PEEK樹脂の性質の特徴として、以下の内容が挙げられます。
PEEK樹脂を用いるメリット
PEEK樹脂の各グレードの物性 (PEEK450G、450CA、450FCなど・・・)
すぐれた耐熱性・高温特性
他のスーパーエンジニアリングプラスチックと比較しても優れています。
ガラス転移温度143℃、融点343℃。
熱変形温度315℃(ISO75、ガラス充填品)、連続使用温度260℃。 熱老化にも強い。
すぐれた機械的強度
引張特性、クリープ特性、疲労特性、衝撃特性等に優れ、広い温度帯でその強度を保ちます。 強度は、ガラス繊維・炭素繊維によって更に強化されます。
低い可燃性と燃焼性
難燃剤を必要とせず、他のプラスチックに比べて低い値です。 また、発煙率も低く、有毒ガス放出性も非常に低い値です。
滑り磨耗特性にすぐれ、磨耗を最小限度に抑える
熱可塑性プラスチックとしては非常に低い磨耗性。 摺動強化グレードPEEKは更に優れた値を示します。 そのため、耐磨耗性にも優れ、機械的・熱的特性にも強い。
すぐれた耐薬品性
濃硫酸以外の広範な薬品、広範な温度帯において優れた耐薬品性を示します。
すぐれた電気的特性
幅広い温度帯、電気の周波数帯で、優れた電気絶縁性があります。
すぐれた加水分解安定性
長時間・連続的な水や加圧スチームによって化学的に侵されません。 従って、PEEKは高圧スチーム環境で使用可能であり、スチーム滅菌も可能です。
その他
電磁波や放射線等を受けることによって一般の熱硬化性樹脂は脆くなりますが、PEEKは安定した化学的構造であるため、十分に使用可能。(耐放射線性)
アウトガスを放出しにくい。